新型コロナウイルスで多くの娯楽関連産業がダメージを受ける中、競輪や競馬などの「公営ギャンブル」が活況を呈している。
その背景には、競輪場や競馬場に行かなくても車券が買える「インターネット投票」の普及がある。
京都府が運営する京都向日町競輪場(京都府向日市)では売り上げが急増し、廃止は不可避とみていた府も存続を再検討している。
パチンコはコロナの三密回避などで下火になったが、感染症対策が確保されればギャンブルは冷めないだろう。
京都向日町競輪場は1948年に府が開設したが、1990年をピークに売り上げや入場者数が減少し、1998年度には赤字に転落した。
当時の山田啓二知事は「赤字は税金で補填される見込みで、施設の存続は極めて厳しい。」と話した。
しかし、2011年度に約7,000万円の黒字を計上して以来、業績は改善傾向にある。
単年度の黒字額は、29年度には2億4,000万円に達している。
コロナが悪化した後も、単年度黒字額は順調に増え続け、2020年度には3億1000万円に達し、2021年度の黒字額は9億5000万円に達する見込みだ。
これは、県の予算に全額繰り入れられる「優秀児」である。
今春、府の包括外部監査人が、存続も含めて再検討を求める監査結果を発表した。
京都向日町競輪場は、ネットで車券を買い、テレビやネットで生中継を見る「ネット投票」の普及が追い風になっている。
2020年度の車券売上高124億円のうち、2億6000万円(2.1%)が競輪場からの収益となる。
公営ギャンブルの好調と、パチンコ・パチスロの厳しい売上は別物だと認識しています。
パチンコ・パチスロの売上減少は、出玉規制やコロナのパチンコ店に芸能人を集めることが難しくなっていることが大きな要因です。
私の周りのパチンコ・パチスロファンは、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)にシフトしている印象があります。
パチンコ・パチスロは、機械や数字で遊ぶことを楽しむという点で、ソーシャルゲームと親和性が高い。
公営ギャンブル好調の背景には、馬券・車券・舟券のネット販売や、競馬中継の充実がある。
もちろん、パチンコ・パチスロから公営ギャンブルに移行した人もいるだろうが、両者の因果関係を証明するのは難しい。
今後の推移を見守りたい。